足部の筋緊張が多関節運動連鎖により下肢近位筋・体幹筋群に及ぼす影響

 

足部の筋緊張が多関節運動連鎖により下肢近位筋・体幹筋群に及ぼす影響

ってのをもう少し噛み砕いて言いますね。

 

足の筋肉の緊張がある時に、下半身の足首、膝、股関節などを動かすときの関節運動や筋肉の収縮弛緩する事によってもっと股関節周りとか体幹にどんな影響が及ぶか?って事ですね。

 

もうちょい噛み砕くと

足のコリがあると、歩いたり座ったりするだけで、腹筋背筋とかどうなんのかね?

って感じです。

 

 

 

【緒言】

 

本研究の目的は,足部の筋緊張を高めた歩行が, 足関節より近位の膝関節,股関節,及び体幹筋群へ及ぼす影響を動的表面筋電図解析の視点から検討することである.

 

【対象】

対象者は過去に上下肢及び体幹に機能障害の既往歴を有さない 健常男性19例(平均年齢:21.9±0.9歳,平均身長:168.8±4.4cm,平均体重:61.6±5.6kg) であった.

また,全例には研究の目的を説明し同意を得た.

 

【方法】

表面筋電計は,TELEMYO 2400T(NORAXON社製)を使用し,

被験筋は,脊柱起立筋,外腹斜筋,腹直筋,大殿筋,中殿筋,大腿筋膜張筋,大腿直筋,内側広筋,外側ハムストリングス,内側ハムストリングス,前脛骨筋,内側腓腹筋,内側ヒラメ筋とした.

 

https://yo-tsu.org/img/kinniku.jpg

 

自由歩行及び,右側の母趾と第2趾間の付け根にパッドを挟んだ歩行(以下,パッド歩行),最大随意収縮の各筋活動を測定した.統計学的処理は,1標本t検定を用い,自由歩行とパッド歩行との%IEMGの差を検定した.

 

 

 

【結果】

パッド歩行時の筋緊張の有意な高まりは,全歩行周期において多関節筋が単関節筋に比べ多く認められた.

また,遊脚相が立脚相に比べ多く認められた.

 

筋緊張の有意な高まりは,

歩行周期の0~6%で内側ヒラメ筋,前脛骨筋,内側ハムストリングス,大腿直筋,大腿筋膜張筋,外腹斜筋,脊柱起立筋,

 

88~92%で内側ヒラメ筋,前脛骨筋,内側広筋,大腿筋膜張筋,外腹斜筋,腹直筋において下肢遠位筋群から体幹筋群までの連鎖が認められた.

 

前脛骨筋の筋緊張の有意な高まりは,歩行周期の大部分で認められた.

 

 

【考察】

パッド歩行では,自由歩行時と比べ筋緊張の高まりが足部から体幹まで連鎖しており,

協同して筋緊張が高まっていた筋も認められた.そこで本研究では立脚相と遊脚相に分けて,運動連鎖の特徴を検討した.立脚相は下肢遠位部が床で固定されている状態であるため,

 

運動連鎖の視点から見るとCKCである.CKCは多関節運動,協同運動を行い,運動連鎖を引き起こすため,

足部の状態によって,足関節より近位の関節筋群にも影響を及ぼすと考えられる.正常歩行では,遊脚相は下肢遠位部が固定されておらず,

自由に運動ができるため,運動連鎖の視点から見るとOKCの状態である.しかし,パッド歩行では,足部の筋緊張が高まったため,

 

下肢遠位部の自由が阻害され,CKCに近い状態になったと考えられる.

つまり,足部で高まった筋緊張は,膝関節,股関節及び体幹筋群に運動連鎖を生じさせたと考えられる.

 

臨床において,下肢遠位部の筋緊張が高い患者は,遊脚相では常にCKCの状態である可能性が考えられる.

 

 

 

面白いなー。わかっている事でも、想像がつく事でもきちんと裏付けされると

記憶への残り方や、アウトプットする回数も変わってきますよね。

 

個人的な感想の前に一応補足しておきますね。

CKCとOKCの違いとして、OKCは『開放性運動連鎖』、CKCは『閉鎖性運動連鎖』とも呼ばれます。

 

解放と閉鎖の違いは地面に身体がついてるとかそんなイメージです。

画像を探したんですけど、あんがい良いのが見つからなかったんで気になった人は調べてみて下さい。

 

今回の定義では歩行なんで、歩行だともう少しわかりやすくて

http://www.senrido.com/kokansetsu/img/01.gif

この画像で言うと立脚相がCKCで、遊脚相がOKCとなるんですけど

このデータは遊脚期でも足底などに緊張があると、CKCと同じような筋緊張が見られるってデータです。

 

つまり足への施術で足底にキネシオテープをはる事で、寝てても座ってても体幹まで効果は出るって事です。

 

 

逆に言うと、足の裏、足の指、足首あたりに不具合があると、OKC(寝てたり座ってても)の状態でも

CKC(立ったり、歩いたり)しているのと同じ筋肉の緊張が下から体幹までは起こるって事です!

 

こういう事が運動不足の人や、偏平足や外反母趾、浮指など色々な足の構造上の問題で起きるので

きちんと足から良くするってのもひとつの正解なんじゃないでしょうか?

 

 

このデータでは体幹までしか発言してませんが、当然下半身がやられると

肋骨から鎖骨の呼吸による運動制限や、単純な肩こり、寝違えなどなど

 

まぁ全身に影響は当然ありますよね。そりゃね。

 

 

足から身体を良くするのは姿勢を良くするって事よりも大切ですよ。

なにせ上手くやれば、足を改善しないまま上を良くすることも可能ですからね。

 

 

 

もっともっと簡単に全身良くなると良いですよねー。

 

 

エグチ