人はストレスに対して交感神経を優位にしたほうがいい話

友人の臨床心理士に勧めてもらった

「ポリヴェーガル理論入門」という本を読んでいる。

とっても面白い内容で、安全性が確保されていないと何のケアも始まらないという

Googleのチームのやつとかにも出てくる心理的安全性の大事さを

それを迷走神経系(自律神経)を通して、科学的に立証するという内容です。

 

 

当たり前の事をきちんとたくさんの言葉で言語化って案外むずかしいよねー。

 

 

安全とはそもそも困難を排除する事ではなく、対象者の主観や神経的な反射も含めて安全と感じること。 

 

要するに身体の防衛反応が出てきてもアウト!って内容です。

つまりその人が奮い立って口では「やります!」って言えたとしても、心が折れてたり、そじゃなくてもビビったら、むずい。

そういう体感や意識として認知してなくても神経や身体が相手を敵だと思ってしまったら防衛反応が出てしまい。

 

OUTって事です!

 

だから人は例えば、立場的に上の人の培った常識や社会的なモラルいわゆる正論などなど、そういった理論よりも

対象者の感覚。なんなら主観(だいたい防衛反応が出る時点で主観も良い感情のわけがないからね!)のが優先されてしかるべき。

だし、そもそも正論が心に響かない理由となるわけなんです!

 

 

 

当たり前の事ながら人が苦しんでいて、たとえ1000人が同じ体験をして辛いのはその人1人だけでも

その人は何ら自分を責める事はないという理由を科学的に説明する本です。

素敵ですな。

 

 

僕も昔に比べてだいぶ丸くなったので、そういう欠落していた人間的あたたかさを確保する為にも理詰めで必要性を説かれる方がありがたいです。 

 

個人的には月間ムーのキャップとクッションを買った程度のオカルトも好きなんですが

仕事においては科学が好きなので

人にやさしいのは科学的に正しいという内容はグッとくるものがあります!

 

まだ全部読んでないのにテンション上がって筆をとるくらい面白い内容です

何より自律神経とは交感神経と副交感神経の拮抗するバランス的な話をよくしますが

 

実際はもーっと複雑で

 

それこそ心理士さんサイドや、我々の業界でもオステオパシー系の人達が腸や上部頸椎から脳へアプローチしようとしますね

横隔膜の上下や首、頭なんてもろに迷走神経の範囲ですもんね

ポリヴェーガル理論の中でも、自律神経系は従来の二つではなく

3つの下位システムによって説明できます。

自律神経系の機能は進化(系統発生学)的な階層わけにより 

 

1、有髄化されてない無髄の迷走神経経路によって、横隔膜より下の内臓の迷走神経制御を行っている

 

2、有髄の迷走神経経路で、横隔膜より上の臓器の迷走神経制御を行っている

 

3、交感神経系にあたる

 

この分類は進化の歴史になぞり、爬虫類特有のものから哺乳類に進化する過程で生まれたもんです。 

 

そして余談だけど、感覚的な見方が得意な先生はよく相手の顔を見ただけで自律神経のコンデイションがわかりますが 

 

顔や頭の筋肉を調整する脳幹領域にもつながっているからなんです

 

 

迷走神経は脳幹と内臓の間で、双方向の情報を伝える10番目の脳神経で

 

病院介護施設等で高齢者相手の医療従事者は、迷走神経反射の単語を良く耳にするんで、まず迷走神経と言われるとそっちを思い浮かべる人も多いでしょう。

 

高齢者の突然の失神はまず迷走神経反射となりますよね。

 

 

また、迷走神経は消化管の多くを支配しており、消化・吸収を亢進する機能があるので、食後は副交感神経が優位に働く。

 

食後の午後の授業で眠気がさす理由はこんなメカニズムであります。

 

他にも迷走神経による内臓反射は、恒常性の保持と調節を行う防御的反応です。

 

この反射は自律神経系によるんですが、こいつはくせもので普通は交感神経は亢進。副交感神経は抑制。のイメージで何でも説明しちゃいそうになるけど、副交感神経である迷走神経は腸管運動を亢進させます。 

 

他には対光反射などがある。簡単にいうと、光まぶしっ!瞳孔小さくするぞ!というのもあります。 

 


さらに上の自律神経のパターンにはまらないものは唾液腺も交感神経優位の時は減少し、副交感神経優位の時に増えるとかあります 

 

でも実際は主に感覚神経で、その80%の繊維は内臓→脳へ

残り20%が運動神経経路を形成する特徴を持っています。

 

そんな迷走神経さんですが

 

めっちゃ神経線維が細かくいろんな所に分布している事から迷走なんて、かわいそうな名前がついたという話もあります 

 

さてさてポリヴェーガル理論に戻りまして

 

可動かを伴う本能的(感覚)な反応は闘争or逃走となっています。 

その次の防衛システムが自律神経(迷走神経)はあり、不動、シャットダウン、解離してしまう。より原始的な動物的なショック反応ですな。 

そうならない為にも人間はその人にとっての安全が確保される必要があり

 

それが第一条件、最優先事項となります。

 

弱っている人に正論が通用しないのは上記の理由からで、神経生理学的に受け入れる事ができないのです。

 

つまり過程は置いておいて、ストレスに追い込まれてしまった以上、そこから抜けだせないのは本人に非は全くないのです。 

もちろん自己責任はありますよ

 

問題を招いたのは本人の行動、言動、思考。そういったものがきっとまいた種でしょう。

 

でもね、でもね

 

ストレスのかかる窮地から抜け出せない事はどんなに客観的に大した事ないような状況でも、そんな所に本質はなく 

 

泣いている人がいるという事実のみが最優先されてしかるべき。 

その人の安全を第一に確保するのがどうしようもなく必要だという事なんです。

嗚呼

素敵ですね。 

 

やーでも昔から、自律神経失調症とかなる前に会社を辞めたりできないのはどんな理由なんだろう?その会社がそんなに圧力がすごいのか?

 

それともその前の段階で正常な判断ができない思考状態におちいってしまうから?だとしたら、それはどんなメカニズムなの?

  

根性論?人のメンタルの強さ?弱さ?トラウマ的要因が入ってるとか? 

 

などなど疑問はつきなったわけですが、今回ひとつしっくりきて楽しかったです!(笑) 

 

 

岡本太郎さんが自分らしさより人間らしさ!と言ってましたが

僕は昔から動物として、またはそんな垣根を超えた生き物としてまっとうなのか?そんなような見方で物事を捉えます

 

人の身体の仕組みを解き明かすと、必然的に進化の歴史が切っても切れない話になるので、たった100年前なんて話じゃなくもっと手塚治虫先生の火の鳥的な話になります。僕も生き物としてたくましくなりたいです。

 

 

太古のレキシから、たった数百年くらいでできた変化の途中の多数派や常識、価値観なんて糧になるならまだしも、どこかの誰を苦しめているんだとしたら

 

そんな、ぽっと出のものにあなたを苦しめたりするような価値はあるんですかね?

 

 

 相対的なもの。何か対象物と比べられるようなモノに価値なんてさらさらないですよ? 

 

かせきさいだーさんが何かで戦時中だと思えば贅沢でうまい!ってインスタントコーヒーを飲んでましたけど、ほんとどうせ比べるなら恐竜の時代とか、クロマニヨン人がいたところとか、なんならまだ生物が産まれる前の波打ち際の泡だったり、水から食料が作れるようになってるドラえもん的な未来とか

 

比べるにしても色々ありまっせ? 

 

ちなみにわが子は基本的に過去と比べて、昔はできなかった事ができてる!とか、退化してんじゃん!って場合は背が伸びてすごい!生きてて偉い!とほめてます(笑) 

 

 

 

江口