股関節の内旋、外旋(内股、がに股)の筋力と機能解剖
久々に同業者の人が見てわかってくれたらいいや。って感じで
遠慮なく、少々専門的な事を書いてみます。
まずこのブログを書くにあたって自分の中でのテーマは
股関節の内、外旋時の特徴をいまいちど明確に!
そこから寒さによける膝関節、足関節の可動域の制限で股関節にどういう影響がかかるのか
要するに寒さによる歩行変化が下肢から体幹に及ぼす影響を言語化する事により
理解を深めたいです。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/41/2/41_KJ00009352619/_pdf
まずこれは体幹に対して股関節の角度を屈曲伸展0度~90度でわけて
股関節、外旋位と内旋位で膝関節伸展時の筋力を測る事によって、股関節内旋と外旋はどちらの方が力が入りやすいのか?
さらにその時土台となる体幹から股関節の角度0~90度(立っている状態と座っている状態な感じ)は、どっちの方がやりやすいのか?
ここでのポイントは、結局力が入りずらいとは言っても動作的に出来なくなるわけじゃないんで
純粋に足の筋力で動作を行うのか。
足の筋力以外、腹筋や背筋など他にも力みが入るのか。そこの目安になると思います。
さて先ほどリンクをはった論文のPDFの結果では、内旋時の方が力が入る!
外旋時の方が力が入らない!となりました。
ここでまず1つ考察できるのは、性差として。女性=股関節内旋、骨盤前傾位。男性=股関節外旋、骨盤後傾位。の傾向が強い。
ちなみに今一度この画像を見てほしいんですが
がに股か内股を当然、つま先の角度でみるんですけどまずはこれを歩行時にまっすぐに意識するそれだけでもとっても単純でなんて事ないですががに股の男性には、どえらい効果的です。
とくにまだ多少の内旋時は足関節(足首)と膝関節が動くんですけど
外旋時は、股関節で動かす事になるので、殿筋群から腸腰筋への負担も大きいし、関節で言うと仙腸関節から間で挟まれる仙骨の可動域、仙骨のフリ運動をさまたげます。
さてここで教科書的な解剖学より問題になってくるのが、いわゆるニーイン・トゥアウトという状態です。
これがもう歪みとしておこり、なにせ上の画像でも考えても
膝が内側に入ってる(内側に回旋するも含む)のに、つま先は外側を向いてる
普通にこの手前の膝関節のねじれがあまり入らない状態でも
ランニングする人の鵞足炎が有名だったりしますよね。
その辺はかわいいもんなんですけどね。
このO脚の画像を見てほしいんですけど、膝が内側に入ってるのにつま先は外側を向いているので
つま先をまっすぐに向けた時に、当然膝は内側にねじれるんです。
そしてそれをシルエットとしてみたら、いわゆるO脚の出来上がりなんです。
よく膝が外を向く、がに股の状態をO脚と勘違いしている人がいますけど、まさかの逆なんです!
そして様々な原因が考える中で「筋力」にフォーカスを当てた場合、運動中のニーインは膝の問題ではなく、股関節が内転・内旋を制御する筋群の問題によって起こることがあります。
あくまで「筋力」にフォーカスを当てた場合で考えるとなんですが
PTや柔整系だとやっぱり筋力好きな人多いんで、こっちが主流の考え方でしょうな。
つまりは、股関節の外転筋・外旋筋を非荷重位+荷重位でトレーニングすることになります。
具体的な例としては以下が挙げられる。
- 非荷重位では中殿筋後部、大殿筋の選択的なトレーニングが重要となる。
- 荷重位では膝をニーアウト位で保持することが重要である。
そんな感じです。
でもこの筋力にフォーカスを当てるのって、そもそも前時代的ですよね
特に下肢なんてトレーニングの世界でも、基本的に自重がかかるから鍛えないなんて考える人もいますしね。
抗重力筋しかり、そもそも自重が基本的にかかるうえで筋力を増やさないといけないとは??これいかに??
だって問題解決に、筋力強化を掲げると言う事はですよ。考えられる可能性としては
・筋力が足りない→下肢においては上記の理由で可能性低すぎない?
・筋力が必要→筋力が対応できてない→負荷が多くなる出来事があった→休息&休息。休&息!
他にも筋力が足りない→筋力が低下する→オーバーワーク(休息が足りないor急速になってない)
などの理由で負荷が一定でも、回復力が落ちる事によって過労状態になる事は現実問題多々あります。
走ってて痛めるとか。仕事でしんどくて。とか
実際に痛めて来店してくれる人に話を聞いても、案外劇的に忙しくなった人ばかりじゃないです
むしろ暇になったとか。いつもと同じ量とか。そんなのが、すげー多いです。
でもでも、本当は問題解決時にスジを通すと回復力を上げる方に着手する方が良いんですけど
何故か世間一般的にお客さん患者さんも施術者、先生も鍛える方向にいく人が多いですなー
まぁジムとかそうしないと存在意義がないし
リハビリでもそうだし(リハの場合は術後の筋力低下を前提とするしね)
柔軟性上げるより男性は性分があってるし
また便利な事に、筋トレをやると明確じゃないんぶん
問題解決にならない時でも、筋トレ途中にしてしまえばもっと鍛えれば大丈夫だし
そもそも休息が足りず過労になってるのに
さらに時間を作って筋力を上げるとか、かなり難しいので筋トレしなさいよ。と言われたところで無理っすよ。ってなる人も一定数います。
そういう人達とか、ほれ見た事か、筋トレさぼるからだぞ!だから痛みとれないんだぞ!
と鬼の首をとったかのようにこの定型文化した文章を聞いた事ある人いるかと思います。
でもそんな事ないですからね!あなたは何も悪くない!
しいていえば、問題解決しないって事はやり方に問題がある。選択方法が間違っている。
あなたは間違ってない。です。
すみません。ぶっちゃけ思考停止して、理論的に時代錯誤な筋トレで何でも解決したがる同業者が好きじゃないんです(笑)
さて、話を戻しまくります。
なんかニーイン・トゥアウトにおける解決法として、筋力トレーニングを掲げたら熱くなってしまったので。
そうじゃない方向性から攻める為に、ニーイン・トゥアウトの原因から考察しましょう。
1、回内足(偏平足)
2、下腿軸のねじれ(太ももや膝頭蓋骨の方向と脛の方向がずれている)
3、股関節の可動域低下
これは普通に股関節が硬い。あんまり大きく動かないですね
4、足関節の背屈制限
ちなみにヒールや、そもそもの下肢重心が前傾姿勢すぎて脛骨から距骨が前方にずれる事で足関節の背屈制限がかかる事も多いです。
5、体幹の筋力パフォーマンス
筋力の柔軟性が低下しても力が入りにくくなります。また特に抗重力筋に代表される姿勢保持に必要な筋肉は、柔軟性が低下しやすく。
しかも姿勢に関与する筋肉なので、雑に言うと、肉体労働者よりデスクワークの人の方が椅子に座った姿勢を維持する。という行為で使っている事になってしまいます。
逆に例えば飲食店のホールの人のように歩き回る人は、動く事にも筋肉を使い。しかも動的なので筋力が伸び縮みを繰り返す事により血流も促進されます。
でも姿勢保持で言うと、二の腕に力こぶをつくるような感じで、筋肉を縮みっぱなしにしてるので
血流も良くないし、柔軟性も低下するってもんですよね。
あらためて、足の裏、足首、股関節の可動域と状態(コンディション)に注目し
健康は足からくる。と言っても良い位なんで、下半身(お腹も含む)の施術に力を入れたいと思いました。
寒さに負けず頑張るぞ!
どうぞ西荻窪、大安吉日治療店をよしなに!